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建築家インタビュー
西沢立衛
西沢立衛/にしざわ りゅうえ
西沢立衛建築設計事務所
1966年 東京都出身
住宅が好き
――プリツカ―賞を受賞されて、安藤忠雄さんとか磯崎新さんとかしか知らなかった一般人の方とかからも、いろいろな依頼のお話が来るのではないかと思いますが、どのような志向や要望をもっている方と仕事をしたいと思われますか。
西沢
やっぱり建築に夢をもっていて、建築することに可能性を感じている方と一緒に仕事ができれば素晴らしいと思います。新しい住宅をつくると、それはどうしても、今までと違うものになると思うのです。リビングの大きさも違うし、使い勝手も違うし、いろんなことが以前と違うんだけど、その「違う」ということをポジティブに受け入れられて、むしろそれを楽しめる、新しい生活に対して開かれたイマジネーションがあると素晴らしいと思います。今までの自分の生活をそのまま続けるための器がほしいというよりは、自分も年を取るにつれて変わっていき、生活も変わって行くけど、その変化をポジティブに捉えられて、新しい未知のものへの期待、夢を持てるかどうか、ということですね。
僕は住宅が好きです。住宅というのは、住むのも面白いけど、考えるのが面白いのです。プランを考えながら、こう住めるかなとか、ここはこういうほうがいいなとか、住むということについて考えるというのは、すごく楽しく、創造的なことです。大きなプロジェクトをいくつやっても、住宅の設計は続けていきたいです。人間が生きることのすべて、あるいは中心がそこにあると思います。人間の生活のありようを考えるというのは、楽しいし、重要なことです。キッチンのレイアウトを考えたり、お風呂の入り方を考えたり、庭をどんな形にしようかとか、庭とリビングはどんな関係になるといいかなとか、そういうことは楽しく、また、そういうことを考えることは結局、我々はどう生きるべきかという、人間のありようみたいなことを考えることにも繋がっていく、非常に重く大きな問題でもあると思います。そういう意味でも僕は、住宅の設計というのはチャンスがある限り、続けていきたいなと思っています。
――森山邸では、今までの固定概念を崩すような取り組みをされていますね。
西沢
固定概念を崩すといっても、昔の下町で我々が住んでいたそのままというところもありますが。
――借金をして住宅を持つというのは、すごいお金持ちでない限り当たり前のことですが、しかしそのためにどんどん窮屈な思いをしなければいけないというようなことも起こりますよね。そのような中で、森山邸では、借金を返したらどんどん広げていけばいいと、そういった住宅に対する新しい考え方を出されたのかなと思ったんですけれども。
西沢
建築は高価なものなので、やはりお金を払うに値するかどうかがすごく大きくて、建物自体がすごいというのももちろんいいけれども、同時に使って楽しい、日々違う魅力があるというのは、お金を払う価値があると思うんです。車なんかもそうで、やはり運転がつまらない車よりも、楽しく運転できるもののほうが、僕は持っていてうれしい。運転したくなる車と同じで、日々帰りたくなる家、住みたくなる家というのがいいと思います。あるいは、こう寝てみたくなるとか起きてみたくなるとか、この庭でパーティを開いてみようかなとか。使ってみたくなる家というのは、重要だと思うんですね。快適であって、使う喜び、生活する喜びというものが感じられるものをつくりたいなと思っています。
悪条件も個性になり得る
――すごく場所が悪いところというのは建築家としてどう思われますか。
西沢
その場所にもよると思うんですが、今手がけている都心の住宅は、敷地が4×7mとすごく小さくて、左右も前も40mくらいの巨大ビルが建っていて、まるで谷底みたいところです。はじめてその土地を見たとき、正直言って住めるのかなと思いました。まわりは高層ビルばかりで、一戸建てを建てるような地区ではないのです。でも、設計していくうちに、それはむしろ個性にもなり得る、と思うようになりました。確かに日当たりは悪いんだけど、すごく高密度のビル街、ビルとビルの挾間に住むというのは、ある意味でアジア的というか、街のど真ん中に住むというダイナミズムのようなものが感じられる住宅を作るいいチャンスではないかと。土地の良し悪しというのは、一概にはいえないんですが、これはどう見ても悪い環境だっていうところも確かにあると思いますが、それでそのままダメかというと、そうでもない場合もあるような気がします。その場所の個性や魅力というのは、ケースバイケースなので、一概に優劣の基準を作るのは難しい。また、見た目良くないと思っても、住んでいくうちにある種の愛嬌とか愛着とか、そこの場所ならではの個性というものが出てきて、魅力を感じるようになる、ということも大いにあると思います。
――最後に、これから住まいを持とうとされている方へのメッセージをお願いできますでしょうか。
西沢
それは、さきほど言ったことと重なってしまいますが、住まいをつくるということに夢を持ってほしいということです。新しい住まいを持つことで、新しい未来が開けるというふうに思っていただけるとうれしいですね。今までの生活を変わりなく保持するために家を作るというのではなくて、今までとはまた違うさらなる可能性が広がるんだと思って、楽しくポジティブに、新しい住まいというものや、次の人生のステージというものを、楽しみながら考え、設計してほしいと思います。
森山邸, 2005
設計=西沢立衛建築設計事務所
©西沢立衛建築設計事務所
森山邸, 2005
設計=西沢立衛建築設計事務所
©西沢立衛建築設計事務所
Garden&House
設計=西沢立衛建築設計事務所
©西沢立衛建築設計事務所
Garden&House
俯瞰
設計=西沢立衛建築設計事務所
©西沢立衛建築設計事務所
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